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最新サンプラー「Novation Rhytyhm Circuit」レビュー!

皆さんこんにちは。

be-beeです。

今日は予約していた機材が届きましたので、レビューしていきたいと思います。

今回レビューしていくのはNovationから新たに発売された「Rhythm Circuit」です。

この機種はすでに発売されている「Circuit Tracks」の兄弟機であり、こちらの「Rhythm Circuit」はサンプラーという機種になります。

サンプラーって?

サンプラーというのは録音された音を発する機材です。

この音の用意の仕方ですが、サンプラーにレコードプレーヤー、CDプレーヤーやスマホなどを接続して、気に入ったフレーズを録音(サンプリング)してまた新たな音楽制作をしていきます。

最近のサンプラー機種ですと、本体に内臓もしくは接続しているSDカードやハードディスクに事前に用意したサンプル音源を移し、楽しむことが出来ます。

このサンプリングという行為はヒップホップではオーソドックスな楽曲制作の方法として確立されています。

また最近ですと、ポップスやEDMなどジャンルを問わずに使われる手法であり、アーティストや作曲者の様々なアイデアによって音楽が制作されています。

しかし、すでにリリースされている楽曲や声をサンプリングした場合、権利関係によってリリースが出来ないなどもあるので、もし楽曲制作に使用される場合には注意が必要です。

許諾が取れそうな音源の場合には事前に権利者に連絡し、または著作権フリーでなおかつ加工OKな音源、もしくはサンプル音源集などを用いての使用をオススメいたします。

一般的なサンプリングの場合(元ネタが他の人の曲の場合)

サンプリングネタを自分で作成、使用している場合

Novation Rhythm Circuitの特徴

このRhythm Circuitの特徴は最大で8トラックまで使用して音楽制作をする事が出来る点です。

シーケンサーや様々なエフェクターも搭載されており、制作後にもDJのようにエフェクターを使用しながら演奏することが出来ます。

また、音源をどこから再生するというポイントや、長い音源の場合には分割(スライス)して新たなフレーズを作り出すことが出来ます。

さらに、例えばピアノなどの一音をサンプリングしておけば音階をつけて演奏する事も出来ます。

その他にもMIDI端子も搭載されているため、他の機器と接続してテンポを同期しながら使用したり、MIDIキーボードを接続して演奏したりする事も出来ます。

この機種の良いところはサンプル音源は自分で用意する為、シンセサイザーとは違い半永久的に様々な音を鳴らすことができるところです。

最近のサンプラーに多い仕様ですと、何かしらパラメーターが分かる液晶画面などが付いている事が多いのですが、この「Rhythm Circuit」にはパラメーターを確認する方法が各ツマミを回した時の光でなんとなく認識するか、聴きながら自分の感覚で調整をしていく必要がある為、その分直感的に音楽制作だけに没頭することが出来ます。

また充電式で満充電の状態だと4時間使用することができる為、今日はPCを使わずに音楽制作などといった事も出来ます。

先ほどもご紹介したように、本体にパラメーターを表示する液晶が付いていないため、操作方法や光の表示を若干覚えないとはいけない為、人によって合う合わないはあるかと思います。

Novation Circuit Tracksとの違い

今回発売されたサンプラー、「Rhythm Circuit」には兄弟機があり、それが「Circuit Tracks」です。

この「 Rhythm Circuit」との違いは、「Circuit Tracks」にはシンセサイザーが内蔵されているという事です。

Circuit Tracksには2種類のシンセサイザートラックと4つのドラムトラック、そして2種類のMIDIトラックから形成されていうのですが、最大の違いは本体でシンセサイザーの音作りをする事が出来るという点です。

最初から多くのプリセットが内蔵されており、主に1トラックはリードやパッド系で使用し、もう1トラックでベース音源で使用するという形になるかと思います。

本体で音質調整が出来るのはもちろんの事、Novationが配布している管理ソフトの「Components」内にて一から音を制作することも可能となっています。

また、「Circuit Tracks」にもサンプル音源を入れることが出来るのですが、音階をつけて演奏したり、長い音源を区切って新たなフレーズを作るといったことは出来ず、鳴らすだけとなっています。

その他の細かい違いとしては、ボタンにや本体に記載されているパラメーターの表記がだいぶ変わっています。

Circuit Tracks」ならシンセサイザーでよく使われるパラメーターが記載されており、「Rhythm Circuit」ならサンプラーに必要なパラメーターが記載されています。

また、「Circuit Tracks」の方はゴムを押しているような感覚が強く、「Rhythm Circuit」の方は全体的にボタンがサラサラとしています。

Circuit Tracks」の方も最初はそうだったかもしれませんが、どちらも操作してみて気づいた点でした。

以上の事から一からの音作りを楽しみたい方には「Circuit Tracks」、多くのサンプリングの機能を楽しみたい方には「Rhythm Tracks」をオススメいたします。

Rhythm Circuit」でのサンプリングの仕方

まずはサンプリングしたい機材を本体の上部に搭載されている「Sample In」に接続します。ここで接続出来る端子はPhone端子と呼ばれる、シンセサイザーなどに使われるケーブルのみですのでご注意下さい。

もし、パソコンからの音源をサンプリングしたい方は3.5mmケーブルと、3.5mm Phone変換コネクターをご用意下さい。

ステレオの場合には「Sample In」のどちらにも接続し、ケーブル一本のみの接続の場合には「L/Mono」と表記されている方に接続して下さい。

接続が完了したら本体左上の方にある「Sample Rec」ボタンを押します。

すると画像のように本体が点灯します。

点灯しているパッドの上2つ分のブロックは、本体に内蔵されているサンプル音源を表しています。

基本的には何も音が入っていない場所(赤く点灯している部分)を選択して下さい。

もし、16個のパッド全てに音が入っていた場合には、画面やや左上にある「」「」ボタンで本体に入っているサンプル音を確認できますので、押しても鳴らない場所を選択します。

何も入っていない所は赤く点灯しています。

赤く点灯している部分を選択すると、本体右下にある「Rec Quantise」ボタンが点灯します。

録音する前の注意点として、本体一番下の段にあるパッドの右から4番目のパッドが点灯しているかと思いますが、これは自動的に録音した音を大きく調整するボタンなので、不必要な場合には押して消灯しておいて下さい。

また、これから録音しようとしている機器で音量調節をします。

ここまで出来たら画面右下にある「Rec Quantise」ボタンを押して録音する機器を再生して下さい。

録音が成功していると本体上部にある「Save」ボタンが緑色に点灯します。

録音が終わりましたら、録音する機器は停止をして下さい。

そして本体を見てみると、先ほど赤く点灯していたパッドが緑色の点滅→白く点灯という風に変わるはずです。

白く点灯すると本体にサンプリングされた状態となりますので、他のサンプル音源と同様に音を鳴らしたり、演奏したりする事が可能です。

「Rhythm Circuit」で重要なサンプルモード

サンプリングが完了して、もしドラム音源などの場合はそのまま使用しても良いのですが、もし上物や人の声だったりした場合には、まずサンプルモードを覗いてみてください。

ここでは写真のように点灯しており、一番下の段のパッドは本体に記述されているパラメーターがそれぞれ割り振られています。

左のパッドから以下の通りです。

豊富な再生方法が用意されているので、アイデア次第で様々なフレーズや楽曲を制作することが出来ます。

この中でもオススメなのは、ウワモノを作る際に最適な「Slice」です。

これは長いサンプル音源を読み込んだ際に、区切ってくれる機能です。

Slice」と表記された上のパッドが3つ白く点灯しているのですが、左から4、8、16分割と、自動的にサンプル音源を区切ってくれます。

これをONにした後、本体左にある「Note」ボタンを押すと、オレンジのLEDとともにパッドが点灯します。

このオレンジに点灯しているパッドに区切られた音源が割り振られています。

もし、パッドを押してみて自分の思った通りに再生されない場合には、調節したいパッドを選択した後に本体上部にあるノブをいじることで設定出来ます。

ノブの意味はそれぞれ以下の通りです。

例えば長いサンプル音源の中の一音だけを鳴らしたい場合には「Slope」をいじったり、サンプル音の雰囲気を変えたい場合には「Tune」をいじったりなど、何も考えずにパラメーターをいじることで偶発的に良い感じの音になったりするのが面白いです。

基本的には気に入ったサンプル音源を録音する→パラメーターで調節する→音楽制作する→「Grid FX」でDJのようなプレイを楽しむ→プロジェクトファイルを保存するというような流れかなーと思います。

その他にも様々な機能があるのですが、それに関してはNovationが公式でYoutube動画を公開していますので、そちらを参照してみると、新たな発見があるかと思います。

注意点

このように楽しい機材の「Rhythm Circuit」ですが、注意点が二つあります。

それはmicro SDです。

自分で持っているいくつかのmicro SDを試した際、公式でオススメしているmicro SD以外だとComponentsで作ったサンプル音源パックやプロジェクトファイルを転送する際、高確率でエラーが発生する事です。

ComponentsというNovationが公式で配布している音源管理ソフトを使用する事で、お持ちの音源を「Rhythm Circuit」で楽しむことが出来るのですが、最初に試した際には家にあった適当なmicro SDを使用した為、3時間ほど試してもエラーばかりで転送できませんでした。

本体の故障か、Componentsとの相性がまだ良くないのか、M1 macを使用しているせいなのかと色々考えましたが、結果的にmicro SDを変えることですんなりと転送できるようになりました。

公式でオススメされているのがClass 10に対応したmicro SDとあるのですが、それでもエラーが出たので「Rhythm Circuit」をお買い求めの際には一緒に推奨されているmicro SDカードも合わせてご用意いただいた方が安心かと思いました。

ちなみに使用する際には、FAT32という規格でmicro SDをフォーマットしなくてはいけませんのでご注意下さい。

もう一つ注意していただきたい点は、底面にスピーカーがついていないという点です。

どういう事かというと、実はこのCircuitシリーズには前のタイプがあり、そのタイプだと本体にスピーカーが内蔵されており、本体だけでどこでも音を鳴らして楽しむことが出来ました。

しかし、今回は充電式になったとはいえスピーカーがなくなってしまったので、出先や場所を変えて演奏する際にはイヤホンか小型のスピーカーが必要となります。

個人的には充電式でスピーカーが付いていたら文句の付けようがなかったために、この仕様変更は少し残念でした。

総評

注意する点はありますが、まだ全ての機能を使いこなせずともとても楽しいです。

パソコンで制作する時とは感覚が異なり、決まったパラメーターで作るというよりはもっとラフにいじり、感覚的に良いと思った音で制作するのでパソコン上とは違う音源が制作できて面白いです。

さらには充電式であるため、演奏する場所を選ばないという点も地味に嬉しいです。

天気の良い日はベランダや外で演奏してみたり、家の中でも暗闇や日の当たる場所などでも演奏することが出来るので、様々なインスピレーションを受けながらトラック制作が楽しめるかと思います。

今後とも何か発見した際にはレビューしていきますので、今後ともこのbeesicをよろしくお願いいたします。

また、最近Youtubeにて自分の所持している機材やプラグインを紹介&試奏する動画をアップし始めました。

まだまだ本数は少ないですが、探り探りながらもアップしていきますので、合わせて今後ともよろしくお願いいたします。

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